五行歌・池上サロン 歌会レポート




[0] 五行歌・池上サロン 歌会レポート

投稿者: 一歳 投稿日:2018年10月 2日(火)16時03分40秒 p3894100-ipngn21201marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp

五行歌・池上サロン 歌会レポート





[6] 『五行歌』二月号歌会レポート

投稿者: 一歳 投稿日:2019年 2月 2日(土)20時48分28秒 p2602128-ipngn22001marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp  返信

レポート担当:紫かたばみ

 十二月三日(月)
 木枯らしが吹かぬまま、迎えた十二月の第一月曜日。ポインセチアやシクラメンの赤やピンクの花々であふれる花屋の前を通り、今日も”豆豆”にて、山鳥の郭公さんと山本富美子さんをゲストに迎えて始まりました。

  台風で苦しむのは      紫かたばみ(一席)
  人間だけじゃない
  赤や黄のドレスで
  旅立つ夢破れ
  茶枯れて強制落葉

 台風の塩害を色彩豊かに歌っている。人間だけじゃないと言い切った強さと、強制落葉という、造語のインパクトに惹かれた方が、多かったです。作者は同じテーマの歌を他の歌会に出し、初0点貰い、削ったり入れ替えたりリフォームした歌で高得点いただき感激ですと。元歌は十二月号一九二頁に掲載。

  奥に潜む        旅 人(二席)
  夜叉を
  飼いならして
  歳月が
  菩薩にかえていく

 夜叉や菩薩がよくわからない方、私は昔、夜叉でしたという方。仏教の十界論を論じる方や歳月が菩薩に変えるに心洗われた方、年と共にイライラ無くなり丸くなった方、私の論理に合わないとキッパリいう方等々、いろいろ意見が飛び交いました。作者は自分には夜叉がいて何とか浄化したいと、育たぬよう努力し続けて菩薩に変えつつあると。

  月の蒼い晩だ     都築直美(三席)
  僕の何かが
  君を呼ぶ
  おいで おいで
  魂の話 しよ

 月の蒼い晩がミステリアスで霊的な感じ。おいでおいでに引き込まれる、しようでなく”しよ”が効いている。僕と君は置き換えられるのではという意見も。作者は、通りいっぺんの話ではなく、精神の深い深い奥の話をしたいと。推敲しての”しよ”とのことです。
 コーヒーブレイクの後は、五行歌誌十一月号から、各自三首選び感想を述べあいました。




[5] 『五行歌』一月号歌会レポート

投稿者: 一歳 投稿日:2019年 1月 7日(月)23時12分22秒 p3469080-ipngn19901marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp  返信

レポート担当:紫かたばみ

 十一月五日(月)
 池上本門寺にお参りし、菊花展を楽しんでさあ、淹れたてのコーヒーいただきつつ八人で二時~五時まで濃い時間の始まりです。

  想像力の       一 歳(一席)
  靱やかで勁い翼を
  羽搏かせる筋
  不屈の意志のごとき骨を
  吾に鍛えしめよ

 ルビがないと読めない漢字もありますが、分かり易くその力強さ、吾に鍛えしめよ!と神にさえ要求する真剣な表現者としての思いに皆さん感動でした。作者は人に寄り添うには、想像力が必要、想像力に余分な脂肪を付けないよう鍛えたいと。

  お前はどっちだ!       紫かたばみ(二席)
  嵐が問う
  踏ん張って耐えるのか?
  ひらりくらりかわすのか?
  一番脆いのは 半端な奴

 一行目の問いかけがインパクトある。自分もそっくりの歌を作ったが五行目にどっちだ! を置いてしまった。四行目がのらりでなくて、ひらりなのがいい。作者は先日の台風体験し半端な自分に活を入れるつもりで作りました。

  待つことも         木村美惠子(三席)
  待たれる事もなく
  ひとり
  味わう
  人生の黄昏

 スッキリ無駄のない表現で味わうという前向きさ、人生の黄昏で止めた所が余韻があっていい。二行目の“事”がひらがな表記の方がいいのではという意見もあったが、まさに一人暮らしの達人の歌です。作者は待っているのは猫だけですと。
 第二部として、五行歌誌十月号より良いと思う三首を各自選び感想を述べあいました。それぞれの好みの二十六首がでましたが、柳瀬丈子さんの歌を選んだ方が多かったです。



[4] 『五行歌』十二月号歌会レポート

投稿者: 一歳 投稿日:2018年12月 4日(火)07時18分39秒 p7230145-ipngn33801marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp  返信

レポート担当:旅人

 十月八日(月)
 湿度を含んだ曇天の中を、ワクワクしながら会場の「豆豆」へ向かう。ゲストに田川さんをお迎えして八名の出席者。司会は紫かたばみさん。

  やさしく ありたいわたし
  でも ほんとは
  臆病なだけ だって
  やさしさは 徳の中で
  最も 自分本位      紫かたばみ(一席)

 やさしさは何? 各々が自分に問いかける言葉が溢れてメモを取る暇もない。何故自分本位なのか、生き方を模索する姿が見えてくる歌と高得点。空きの使い方が効果的の評も。作者は臆病だから傷つきたくなくて優しくする、その思いに、書き留めていた言葉「やさしさは自分本位」を加えて作品にしたと語っていた。

  正直に書くのは      田川宏朗(二席)
  当たり前として
  ひとに
  寄りそうことの
  なんという難しさ

 寄りそうとは何? 皆の思いが吐露されていく。同じ思いの幸福な化学反応は歌会にも興る。作者は、席を譲ったセールスマンへの応援の五行歌を推敲し続けるうちに違いを感じた。そして、人に思いを近づける歌を詠みたいと願って歌ができたと語っていた。

  人生が         都築直美(二席)
  一夜の夢なら
  ありがてぇ
  今宵 素敵な
  狂人と なりたし

 文体の巧みさ、鴨居玲の絵と言葉を連想させる、メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲第二番「一夜の悪夢」を彷彿させる魂の飛翔等々。出席者の想像はどこまでも広がっていく。作者は、鴨居玲の描く酔った老人のイメージを抱きながら、『閑吟集』の「…ただ狂へ」の返歌として詠んだと語っていた。

  闇を/知る人の/灯りが/細く くっきりと/見える     旅人(三席)

 歌会の後で、美味しい珈琲を飲みながら秀歌集3を寸評した。今月は「空き」の巧みな作品が多かったので、空きの効果も話し合った。



[3] 『五行歌』十一月号歌会レポート

投稿者: 一歳 投稿日:2018年10月31日(水)15時29分14秒 p2055211-ipngn17001marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp  返信

レポート担当:コバライチ*キコ

 九月三日(月)
 朝から、台風二十一号が四国から関西に上陸するというニュースでもちきり。小雨混じりの蒸し暑い中、歌会は白熱。点を入れていなくても、皆で言いたい放題。言われる側も、より良い作品に改作すべく聞く耳をもって話し合うという、生きた歌会を体感しました。

  燃えなければ         紫かたばみ(一席)
  光はないーでも
  不燃物のわたしは
  わたしを磨き鏡のように
  光届ける人となる

 作者の思考の流れ、意思の強さが伝わってくる。自らを不燃物と言い切りながら、光らせる側になるという純粋な気持ちに打たれたという意見が多数。「燃えなければ光はない」とはあるハンセン病者の言葉だが、この言葉にひそむ情熱を池上サロンのメンバーにも感じて、自分のエネルギーにしたいという作者。最後の朗読時、四行目の「わたしを磨き 鏡のように」と文節が割れることがわかり、字空き、改行についてしばし議論が起こった。

  転轍機を/変えると/景色が一変して/新しい/生き方が始まる   旅 人(二席)

 ポイントでなく転轍機という言葉に迫力を感ずる。景色の変化と生き方を結び付けた、切れ味のいい作品。二行目の「変える」は「換える」ではないか? 「切り換える」としたほうがより意味が近いのでは? という意見も。作者は、自分の人生の転換期からのことを踏まえて詠んだが、もう少し推敲したい、と。

  白地に/白で描かれた/白描/無限の色を沈潜させて/ただ在る〈白〉   一 歳(二席)

 五行の中に「白」が四つも出てきているのに、それぞれの白の存在感がある。白描とは墨で描かれた絵だが、白で描かれたとは如何に? ただ白といっても、黒と同様、その中にはすべての色が内包されていて、作者はここにその色を見ているのだろう。それは「無」と言い換えることができるかもしれない。

  サヨナラの/握手のつもりが/ハグされた/何んと/温かいのだろう   木村美惠子(三席)

 カタカナの使い方が軽やかで効果的。素直に、言いたいことをストレートに詠まれていて、読後感がいい。「何んと」は「なんと」でいい。作者の実体験に基づいた作品。
  



[2] 『五行歌』十月号歌会レポート

投稿者: 一歳 投稿日:2018年10月 4日(木)22時54分16秒 p7958068-ipngn38701marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp  返信

レポート担当:都築直美

 八月六日(月)
 連日続くうだる様な暑さにもめげずに十名の歌人にご参加頂けました。
 奇しくも、八月六日は広島に原爆が投下された日。今回は、昭和二十年八月六日広島において六歳で被爆経験をされた木村美惠子さんにもご参加頂き、特集「八月六日から」を拝読しながら思いを語り合いました。
 被爆された方々、戦争で犠牲になられた方々に哀悼の意を込めて皆で黙祷。
 その後、通常歌会に入りました。

  体験した事が          木村美惠子(一席)
  良いか 悪いか
  判らない
  原爆投下の下を
  逃げ回ったこと

 ご本人が小学一年生(六歳)の広島での被爆経験をそのまま歌にされたとの事。原爆の恐怖、強烈なリアリティが読み手に迫って来て有無を言わせない。

  哀しみは            旅 人(二席)
  独りで
  抱くもの
  吐息の中に
  潜ませ

 共有したつもりでも哀しみは人には分けられない。自ら抱えるしかない自分自身だけのもの。文学的ロマンを感じさせる、作者渾身の新境地。

  わたしは            紫かたばみ(三席)
  憎しみから
  産まれたとしても
  憎しみの根源を知り
  連鎖を断つ事はできる

 ふと観た、(日本人の父親を持ち、壮絶な過去を経験したインドネシアの女性のドキュメンタリー番組)に心打たれできたとの事。「血のつながり」とは? 「生きる」とは? 考えさせられる五行。

  人籟を聴けぬものが        一 歳(三席)
  どうして
  地籟 天籟を聴けよう
  汝
  天地人の聲を聴け

 目先の利益のみを求め自然を傷め続ける人間、じっくりと立ち止まりものを感じようとしなくなった人間、それらに対する警鐘。まさに…哲学的な五行。





[1] 『五行歌』九月号歌会レポート

投稿者: 一歳 投稿日:2018年10月 2日(火)16時37分52秒 p3894100-ipngn21201marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp  返信

レポート担当:コバライチ*キコ

 七月二日(月)
 梅雨明け早々の炎天下。雲ひとつない夏空を見上げながら、池上本門寺の先にある会場へ。前半は、三月号特集(コバライチ*キコ)の作品から、参加者それぞれが好きな三首を選んで講評を述べ合う。普段、生の声が聞きにくい特集をこうして取り上げる歌会は、歌人の作品批評力が育っていくと感じた。

  束縛の鎖を         旅 人(一席)
  引きずりながら
  宙を目指す
  飛び立つのは
  自由だ

 わが身、わが心を束縛する鎖とは物理的には時間であり、精神的な何かであるかもしれない。最初の二行がロックである! ラストのまとめ方が鮮やかで、遠くまで飛んでゆけそうな力を感じる、と高評価を受けた。日常生活において「思うこと」だけは自由だが、しかし、それは本当か? 私たち、本当に自由に飛び立てるのかどうか考えながら作った歌です、と作者。「宙」は「そら」と読む。

  人生の荒波に         都築直美(二席)
  揉まれ
  丸くなった 石
  でも…その石の真ん中には
  マグマが あるんだよ

 石の描写がまるでひとの一生のようだ、噴火しそうな熱い恋心を表している、四、五行目の言葉に納得した等、人間に置き換えて読まれた作品。のんびり生きているようでも、譲れないところがある厳しい求道の心を忘れないでいたいという作者の思いから書かれたそう。「終わり方」の追究でもある。

  水面に踏ん張る       コバライチ*キコ(三席)
  水馬*        *あめんぼう
  さしずめ
  ダリの
  奇妙な戦闘士か

 水面とアメンボからシュルレアリスムの画家ダリを発想するイメージがおもしろい、工夫が生きている。三行目の「さしずめ」の選択が効いているとの評。毎年、水張田で目にする光景だが、よく見ると、水面に映った空に乗っかる生きものの形は不思議である。


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