五行歌・池上サロン 歌会レポート






[36] 『五行歌』七月号歌会レポート

投稿者: 一歳 投稿日:2021年 7月18日(日)10時51分23秒 p8783149-ipngn21002marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp  返信

レポート担当:旅 人

 五月十日(月)
 歌会の会場、池上会館が緊急事態宣言で使用不可となり、急遽、紙上歌会鑑賞会にしました。自作品と自作品のコメントを纏めて十三名の手元に送りました。
 しかし、コロナ禍でも、何とかリアル歌会に近づけないかと考え続けました。幸い、皆さんがスマホをお持ちでWi-Fiの環境も整っていることが分かりましたので、「池上ライン歌会」のホームを作ることにしました。
 十日の夜、七時から九時まで、ライン歌会を開くことができました。多少の手違いはありましたが、ライン初心者も含めて無事に終えることができました。会場が使用不可でも、歌会を開くことができると知ったのは大きな収穫でした。

 皆さんの作品を紹介します。

  テレワーク様式は/仕事の無駄な所を/削ぎ落してしまった/本当に人間関係に/無駄は不要なのか
                                       雅蘭洞

  私は何処から来て/何処へ行くのか?/いのちの/砂時計が/減ってゆく    沙 羅

  季節に/無関心でいないと/価値を創れない/四角い画面/ばかり見ている   大島健志

  これから咲く/ツボミは摘まぬよう/パンジーの花がらを/老いた花を/摘む  紫かたばみ

  汝/火の子/水の子/浄*の女*/自ら浄まるものであれ  *きよめ *むすめ  一歳

  光が射し込む/林の中/小さな野の花に/蝶々が/そっとキスをする      玉井チヨ子

  家来が/居なくなったのに/王様は/まだ/気付いていない          旅 人

  夏日のファミレス/離婚届に/早くサインをと!/友人の亭主を/追いつめている  観 月

  旧友の便り/途絶えし悲しみと/新友とゆう/新しき友を得た/喜びが交差する  大箭佐代子

  探していた/言葉 見つかった/絡まった糸が/解*けた/一瞬に似て  *ほど  武藤義子

  お雛様と愛でた/ミニガーベラ/お礼肥で緑葉繁り/花芽が五本/嬉しい五月の花春  守野純子

  墓参り/砂利道に躓く/支えた/見えぬ手/誰                  髙馬和子

  昨日の今頃いらしてちょうだい/だなんて/室生さんたら。/後戻りしたところで/
  会いたかった私がきっと いる                         コバライチ*キコ




[35] 『五行歌』六月号歌会レポート

投稿者: 一歳 投稿日:2021年 7月18日(日)10時13分2秒 p8783149-ipngn21002marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp  返信

レポート担当:武藤義子

 四月五日(月)
 桜の花も散り、葉桜へと変り始めました。今回もフェイスシールドとマウスシールドを使い、出席者八名で歌会を開くことが出来ました。自由詠一首、題詠「さくら」一首です。

 自由詠

  少年はあの日     大箭佐代子(一席)
  海で母を亡くす
  その海で漁師に
  そして父になる
  響け希望を未来へ

 出だし一行目がインパクトがある。漁師になった心がよく出ている。作者は東北震災から十年、悲しみの海でたくましく生きていこうとする青年の姿をテレビで観て、この歌を詠んだと語りました。

  天に          髙馬和子(二席)
  向かって
  萌え立つ
  欅
  春爛漫

 短く簡潔にリズムになっている。萌え立つ様に春の息吹が出て良い。作者はコロナムードを払拭し、春の喜びを欅に託して詠んだと語りました。

  夜桜に人影なく      武藤義子(三席)
  桜の精に
  心震え
  思わず手を合わせた
  一本のしだれ桜

 「手を合わせた」に、作者のしだれ桜に対する思いがよくわかる。作者は二十数年前、京都の円山公園のしだれ桜に心引かれた。

 題詠「さくら」棒書きで三席まで紹介します。

  宵闇に/朧に浮かぶ桜/引き込まれ/いつしか私は/西行の歌の中に    武藤義子(一席)

  パッと咲いて/パッと散る/潔さ/哀しさ/戦時下の櫻          大箭佐代子(二席)

  花びらが/ころころ と/坂をころがり/またひとつ/年を重ねて下る坂  玉井チヨ子(三席)



[34] 『五行歌』五月号歌会レポート

投稿者: 一歳 投稿日:2021年 7月18日(日)04時02分56秒 p8783149-ipngn21002marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp  返信

レポート担当:紫かたばみ

 三月一日(月)
 梅の花や沈丁花の香る道をたどり池上本門寺隣の会館で、九名が集いました。

  蕗みそを      玉井チヨ子(一席)
  作る楽しさ
  食べる嬉しさ
  季節は巡り
  春がきた

 季節感とリズム感のある歌。蕗みそには春が来たと感じる喜びがあります。

  十年過ぎて     旅 人(二席)
  尚
  余震が続く
  傷む心は
  なお

 尚となおの使い分けが上手い。寄り添う心があります。作者は二月十三日の地震が東日本大震災の余震と知り驚愕しました。被災者の方々の辛さ思うと胸が塞がります。

  幾つもの      武藤義子(三席)
  豆雛
  そっと 取り出す
  しっとりと
  心華やぐ

 豆雛は、段飾りのような華やかさはないが、それぞれに思い深くしっとりと華やかです。

  赤い指さき      大箭佐代子(三席)
  老い衰えに
  逆らいて
  お洒落は
  私自身の印し

 お洒落は自分の為、身だしなみは他人の為と赤いネイルで女を楽しむ作者です。

 題詠「道」の一から三席です。

  角を曲がると/風が変わる/光が変わる/私も きっと/変わる    旅 人(一席)

  自由への/道づれは/孤独/荷物は/最小限             沙 羅(二席)

  文箱から 沈香*を/母を偲んで/焚いて 聞く/静寂のひととき/香の道  *じんこう
                                   髙馬和子(三席)  



[33] 『五行歌』四月号歌会レポート

投稿者: 一歳 投稿日:2021年 7月18日(日)03時25分38秒 p8783149-ipngn21002marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp  返信

レポート担当:守野純子

 二月一日(月)
 紅梅咲き始め、コロナ自粛時の中、お元気な皆様七名の出席で雅蘭洞さんの司会で開始。歌会終了後、欠席歌三名の作品を朗読。

 自由詠

  涙は       沙 羅(一席)
  胸の
  奥に
  音もなく
  落ちる

 短い言葉に何とも言えず形が美しい。悲しさ余韻がある歌。良寛さんの書で、君看双眼色 不語似無憂を思い出すと。
 作者は、若松英輔さんが「本当に哀しいとき、涙は頬を伝わらない」と言われた言葉に感銘と共感を得て生まれたと言っていました。

  快晴の冬空が     武藤義子(二席)
  悩み不安を
  吸い取って
  一時* 私は    *いっとき
  真っ新らになる

 冬のきれいなそらに吸いこまれて行く気がする。生き直す気がする。決め手は、真っ新らと一時。
 作者は、高く澄んだ大空を見ていると、空の持っている無限の魅力を感じないでは居られないので詠んだと語っていました。

  思いと言葉が     旅 人(三席)
  重なりあう
  音を探す。
  時間は
  ある

 「音を探す。」丸が生きている。職人の様なとっても深い歌にかける時間がある。
 作者は、思いと言葉とリズムが重なりあう歌を模索しつづける日々を詠みましたと。

 後半は、題詠「夢」を鑑賞。

  彼岸から/笑いながら/手を振り 弟は/「楽しそうで良かった」/ぽっかり 白い雲
                                 旅 人(一席)

  ふと/生まれる前の/魂に戻る/人生は/邯鄲の夢        沙 羅(二席)

  私は/何かを/なくした/それは/夢か             雅蘭洞(三席)

 邯鄲の夢の意味を雅蘭洞さんがお話され、とても意義深い歌会でした。



[32] 『五行歌』三月号歌会レポート

投稿者: 一歳 投稿日:2021年 7月17日(土)22時09分2秒 p8783149-ipngn21002marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp  返信

レポート担当:旅 人

 一月十一日(月)
 午後から霙の予報の寒い日でした。新しいフェイスシールドとマウスシールドを使用し手の消毒もしてから、出席者七名で歌会を始めました。幸い、会場に近い方が多いので通常歌会を開くことができましたが、遠方の方は欠席歌となってしまいました。コロナの早い収束を願ってやみません。自由詠一首、題詠「コロナ」一首で歌会を始めました。
 自由詠

  崩れそうな骨を    旅 人(一席)
  そうっと掴む
  命を使い切った
  百一歳の
  素晴らしき最期の姿

 「素晴らしき最期の、命を使い切った、そうっと」の表現に、亡くなった人への愛情を感じたと高得点でした。百一歳で亡くなった義父の骨の脆さに驚いて、見事だなと思い詠みました。

  キャンバスから    沙 羅(二席)
  明度と彩度が消えた
  あなたが逝ってから
  人生の色は
  無彩色

 あなたは何を指しているのか? 夫、子供、青春等々盛り上がりました。作者は大切な文学仲間を喪った心象風景を詠んだと語っていました。

 紙面の都合で三席は作品を縦書きで紹介します。

  すがすがしく/身も引き締まる元旦/遠い日のこと/去年* 今年/感慨は年毎に薄らぐ  *こぞ
                                  武藤義子

  盧生は夢に見た/栄枯盛衰の一生/夢には非ずして/現実ではないか/夢と思っただけ
                                  雅蘭洞

 題詠「コロナ」。縦書きで三席までご紹介します。

  正月に/廊下を走る/防御服/後ろ姿に/後光さす     髙馬和子(一席)

  みんなで/食事をすると/おいしいね…と孫/普通のことが/幸せだと気づく  玉井チヨ子(二席)

  コロナなる/魑魅魍魎が/跋扈して/試されている/人間の尊厳    沙 羅(二席)

  うちつづく/しゃばのコロナに/年も過ぎ/のべに花咲く/春になりけり   雅蘭洞(三席)


  



[31] 『五行歌』二月号歌会レポート

投稿者: 一歳 投稿日:2021年 7月17日(土)15時26分7秒 p8776221-ipngn21002marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp  返信

レポート担当:旅 人

 十二月七日(月)
 本門寺の桜も葉をすっかり落とし、冬の青空にスッキリと、どっしりと裸木をさらしていました。新しい出席者が加わり九名で歌会を開きましたが、同点一席は武藤義子さんでした。今月から、出席できない方の欠席歌も受け付けることにしました。

  記憶の襞に     雅蘭洞(一席)
  埋もれた
  青春の残滓
  その輝き
  今も煌めく

 言葉の使い方がすばらしい、残滓と言い切って、次へ続く流れが見事、記憶の襞に惹かれたなど好評でした。作者は、欠礼葉書で学生時代の友の死を知った。若く輝いていた時を思い出して詠んだと語っていました。

  今更ながら…     武藤義子(一席)
  八十路を過ぎ
  友の急死重なりて
  生きることを
  いとおしむ

 コロナ禍で、生きていくことを再認識したわが身のことを詠んでいるような気持ち、「いとおしむ」に共感したなどの評がありました。作者は、入浴中に亡くなる友が続いて、暮らし方を考えてみたそうです。

  失いし        大箭佐代子(二席)
  愛しきもの
  子等が育ちし棲家
  戦友だったあなた
  左の乳房

 作者の気持ちが作品に溢れている、同性として共感した。「棲家」が良かったの評がありました。初めての五行歌で二席は見事でした、作者は、家も夫も乳房も失ったけれど、悲観的に思ってはいない半生を詠んだと語っていました。

 三席は紙面の都合で、縦書きで紹介します。

  錦の絨毯/サクサク/気分は深山の/紅葉狩り/るんるんサクサク
                                春 蘭(三席)

 歌会の後、本誌から各自が三首選をして鑑賞しあいました。
  



[30] 『五行歌』一月号歌会レポート

投稿者: 一歳 投稿日:2021年 7月17日(土)14時47分37秒 p8776221-ipngn21002marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp  返信

レポート担当:大島健志

 十一月三日(火)
 通常は第一月曜日開催だが、祝日開催ということで、初参加のいわさきくらげさん、羽田怜花さんを含め、十五名の方が集まり、賑やかな会となった。高評のお歌を紹介する。

  いつか       宮川 蓮(一席)
  誰かの真心
  こんなにも時を経て
  届くことがある
  打たれることがある

 「こんなにも」が切ない。胸にずしんときた、昔言われていたことが時を経て腑に落ちることはあるので共感した、といった評。作者は、「思い出の品を整理していた時に教師時代にもらった寄せ書きの中の言葉を見て感じたことを書いた歌です」とのコメント。

  長い長い雨が      田川宏朗(二席)
  止んだら
  街にくりだそう
  握手交わし
  声あげて

 コロナ禍が終わったらこの歌みたいにしたい、握手を交わすより抱き合いたい、コロナ禍が落ち着いても実現できない可能性もある、といった評。作者は、「雨はコロナの比喩です。これを願っているが、たしかに実現できない可能性もある」とのコメント。

  みんな ぬくもりを    大島健志(二席)
  傍においておきたい
  かわいくて
  扱いやすい
  ぬくもりを

 「ぬくもり」に惹かれた、とてもドキッとした歌、全体的に皮肉を感じる、といった評。作者は、筆者です。小さい子どもやペットを蝶よ花よと可愛がる人は多いが、そうした風潮に疑問を持って書いた歌。

  正月の駅伝は     羽田怜花(三席)
  どっちの大学を
  応援しようと
  テレビの前で楽しげに迷う
  オトンの姿はもうない

 五行目の「オトン」が響く、淋しい気持ちもあるがどこかユーモラス、懐かしさと悲しさが同居している、といった評。作者は、「父が今年亡くなった。私の大学が学部と大学院で違い、どちらも箱根駅伝の常連大学だったので、その思い出を書いた」とのコメント。

 歌会後は、十一月号の田川さんの特集『チャレンジド ウィズ コロナ』についての感想を述べ合う時間も設けました。



[29] 『五行歌』十二月号歌会レポート

投稿者: 一歳 投稿日:2021年 7月17日(土)14時16分56秒 p8776221-ipngn21002marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp  返信

レポート担当:旅 人

 十月五日(月)
 フェイスシールドを付けるのも手馴れてきたコロナ禍の歌会が始まりました。先月、見学にいらっしゃった方が、見事、三席に入りました。紙上歌会に初参加されていた方もリアル歌会の緊張感を楽しんでいたようです。休憩タイムで飲む喫茶店「豆豆」の珈琲が懐かしい。

  胸底に        旅 人(一席)
  共鳴する
  微かな
  音
  出会いの始まり

 皆さんから点が入りました。言葉にしにくい思いを「音」と捉えたのが良い、「音」一文字の力が光っている、シャンソンの「パダンパダン」と共通するものがある等の評。作者は、素晴らしい人との出会いがあって、それを歌にしたいと願い歌が生まれました。心のアンテナを磨き続けることが出会いに気づくのではないかと語っていました。

  嵯峨野の       雅蘭洞(二席)
  庵に翁あり
  黙々として
  面をつくる
  秋や深し

 まるで古典の世界、これぞ五行歌、竹林の風を感じる、『修禅寺物語』のようの評がありました。作者は、六十年前、嵯峨野で出会った和紙で作る面作りの翁を詠んだと語っていましたが、面が仕上がる前に亡くなってしまったそうです。翁の素晴らしい巻紙の手紙を持参されました。

 紙面の都合で、三席の二名は棒書きで紹介します。

  ワイングラスを傾けながら/葡萄がワインになるまでの/芳醇なる時を思ふ/わが思ひも形になるまで/
  静かなる葡萄でありたや                        沙 羅(三席)

 「寝かせておくと良い歌になる」先月、出席された岡田道程さんの言葉に共感した作者は、急ぎ過ぎる自分への願望を詠んだと語っていました。

  思いは/あるはず(と思いたい)/それを表わすのが/コトバ/ではない夫*   *ひと
                                     紫かたばみ(三席)

 作者は、( )で心の叫びを表わし、片仮名でコトバを強調したかったと語っていました。



[28] 『五行歌』十一月号歌会レポート

投稿者: 一歳 投稿日:2021年 7月17日(土)13時38分24秒 p8776221-ipngn21002marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp  返信

レポート担当:紫かたばみ

 九月七日(月)
 台風十号の影響で、時おり激しい雨の降る中、めげずに八名の会員と見学の大箭佐代子さん、萩原康子さんの十名が集いました。

  一糸まとわず    玉井チヨ子(一席)
  モデルとなり
  無言館で
  今も待っている
  愛する人を

 一糸まとわずの出だしで出征した人への一途な思いが伝わります。愛する人を待ち続ける恥じらいと決意の表情の乙女の絵。作者は数年前、無言館で絵を見てあまりに強烈で歌にできなかったが八月のテレビ番組見てやっと歌になりましたと。
 二席の歌が、なんと五名。三席と共に歌の紹介のみで失礼します。

  ベニスの水路に/午後の日差しが/照り映えるころ/古びた壁に響く/狂人のテノール
                                  雅蘭洞(二席)

  水があって土があって/木があって風が吹いて/てふてふが たかくたかく/梢の先まで舞い上がり/
  音もなく秋が降りてきた                     旅 人(二席)

  地には/累々たる言葉の骸*/バベルの塔のごとく/今にも/天の怒りを買いそう   *むくろ
                                  岡田道程(二席)

  盗み見る/あなたの横顔/マスク外して/お茶を飲む/赤い唇に ドキッ
                                  紫かたばみ(二席)

  異国語が飛び交った/外国子女の通学路/緑陰の坂道/今 蝉時雨の元に/猫眠る
                                  髙馬和子(二席)

  自国への路/コロナで閉ざされて/「流人になった気持ち」と/ラインで/娘はつぶやいた
                                  武藤義子(三席)

 後半は、岡田道程さんの『星月夜』の鑑賞会を行いました。各自二首選びコメントし、それに作者が作った時の思いを丁寧に解説し、また作った歌を半年は寝かせて醗酵させてからもう一度推敲します等の、歌作りの秘訣まで、惜しみなく披露してくださいました。十名ではもったいない話でしたが、十名だから濃密な鑑賞会でした。



[26] 『五行歌』十月号歌会レポート

投稿者: 一歳 投稿日:2020年10月 3日(土)11時45分3秒 p8542216-ipngn42801marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp  返信

レポート担当:旅人

 八月紙上歌会
 八月こそ通常歌会を! と広い会場を予約して歌も纏めて八月三日(月)の歌会を待つばかりとなった。忘れもしない八月一日。「二日続けて東京の感染者数は四百人を越えました」とニュースが流れた。「出席します」の明るい声に救われたが迷い続けた。そして、紙上歌会に変更をした。新型コロナは夏の暑さと湿度に弱いと巷の噂があったが、猛暑でも収まる気配はない。
 今回はコロナ禍の歌会のあり方を考える良いきっかけになった。十月からは、少人数を生かして広い会場でフェイスシールドを配布して通常歌会を開くことにしました。
 紙上歌会はコメントを書く楽しみ、じっくり読む楽しみもあるけれど、やはり言葉の応酬のあるリアル歌会に勝るものはないと思う。

  胸底の小部屋に   平井千尋(一席)
  ピースの
  欠けた
  絵を飾って
  生きている

 一片の欠片は、全てのピースに拮抗する力がある、胸の奥の絵には何が飾られているのか等々。作者は失ったピースはもう戻らないと涙するときがあると語っていました。

  思い人が待つ    玉井チヨ子(一席)
  都へと
  古人*も歩いたか   *いにしえびと
  夕暮れの
  きぬかけの路

 格調ある抒情的な作品、「古人・きぬかけ」に惹かれた等々。作者は一人旅で日暮れの心細さを古人に重ねたそうです。

  誰を生かすのか    コバライチ*キコ(二席)
  決めるのは神か
  医者なのか
  わたし 生きられそう
  なんて 思う夕暮れ

 パンデミックにこそ問われる命の選択、作者の生への力を感じた等々。正常性バイアスの高い作者は、コロナ禍の中、命の選択は誰が? でも生きられそうと。

  ゆっくりとまばたきしたら   紫かたばみ(二席)
  消えていそう
  セミの声だけする
  真昼の公園で
  一人遊ぶ子

 真夏、真昼の公園、異界の扉が開いたかのよう、キリコの絵の様なシュールな映像等々。作者は、真夏の静かすぎる公園で、黙々と一人遊ぶ孫といたら異空間の感覚になったそうです。
  


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